昭和の頃は、小紋の上に黒の絵羽織を羽織って着物の格を上げていました。
ところが、最近ではフォーマルなお着物をみなさんお持ちになり、黒絵羽織の登場シーンが減ってしまいました。
今回は、お客様のお母様やおばあさまの黒の絵羽織を名古屋帯に変えてみました。
写真はお太鼓の部分です。
「吹き寄せ」の柄がとても素敵なオリジナル帯に仕上がりました。
黒地の帯って合わせやすいんですよ。
コチラが前に来る部分。
そちらもステキですよね。楽しく名古屋帯を締めていただけそうです。
京都で仕立ててもらいましたので、しっかりした芯が入っていて、締めるのも楽そうです。
着なくなった黒絵羽、あなたも復活させてみませんか?
お客様のご要望で、
羽織用の反物を使って三ツ見の着物を作らせて頂きました。
可愛い、朱色の羽尺(羽織用の反物)。
羽織として作ってもとても可愛いのですが、
冷暖房の効いた現代では
羽織の出番は少なくなっています。
そこで、お孫様のための着物を制作してください、とのご要望でした。
四ツ身の着物は既製品で安く存在するのですが、
三ツ身の着物は作らないとなかなかありません。
共色のぼかしの八掛けと、正絹の胴裏を付けて
かわいい、三ツ身の着物が出来上がりました。
長襦袢はお客様がお持ちの反物を使いました。
可愛い半衿とピンクの袖裏を使用し、長襦袢も可愛い。
県外のお孫さんの所で、実際に着てもらい、
お客様ご自身が「揚げ」を施されるそうです。素晴らしい。
お召になったところの写真を拝見するのが楽しみです。
このように、着物はいろんな変化を楽しむことができます。どうぞお気軽にご用命ください。
心よりお待ち申し上げております。
2020/10/04
背が高く、スレンダー美人のK様
とても着物がお似合いになります。
そんな、Kさま。お母様から、羽織を譲られました。
ところが、裄丈も短く、丈もみじかかったのです。
色も朱色でとても鮮やか。
まだ、しつけもかかったままの新品ですが、このままでは着ることができないため、
ほどいて、やり直すことにしました。
そこで、どうせなら、色も変えようということに。
朱色の上に色を掛ける場合、元の色を抜くか抜かないかで、染められる色が変わってきます。
今回は色を抜かずにその上に色を掛けることにしました。
まずは、ほどいて、一反の反物にもどしてから、染めていきます。
今回は、「朱色の上に重ねられて、地味になりすぎない色」ということで、
シックな茶系統の色になりました。
元の柄の上にも色が入り、きれいな地模様として残りました。
これなら、カジュアルにも、フォーマルにも着られる羽織となりそうです。
また、背が高いので、丈も長めにさせていただきました。
以前羽織に使っていた肩裏の巾が狭かったこと、
羽織丈を伸ばしたことにより、
新しく縫い直す袖の裏だけは新しい裏地を使用させて頂きました。
その結果、K様の裄丈にピッタリの羽織が出来上がりました。
とても美しい長羽織が出来上がりました。
これからどんどん寒くなっていきます。
この一枚で、着物ライフがぐんぐん楽しくなってくれることと思っています。
そして、何より、お母様もお喜びいただけたのではないでしょうか。
もしかしたら、使われることなく、処分されたかもしれない羽織。
生き返りました~。
お母様の為に準備してくださったのは、もしかしたら、おばあ様やおじい様かもしれません。
そのお気持ちも引き継いでいただけたようで、
私も気持ちがほっこりしています。
K様、本当にありがとうございました。
着物ライフ、楽しんでくださいね。応援しています。
2020/05/19
秋から春まで重宝する羽織。
お母様から譲り受けました。
お嬢さまは背が高く、裄丈(ゆきたけ)も身丈も短くてこのままでは着ることが難しいい・・・。
そこで、洗い張りをして、マイサイズの羽織に変身させました。
羽織丈がぐっと伸びて、ご自身の膝くらいまでの長さに出来上がりました。
袖丈は生地の都合上伸ばせませんでしたが、裄丈も伸びて、これで安心かな。
軽くてあたたかな羽織となりました。
お母様にもお喜びいただけるといいなぁと、思っています。
2020/03/16
軽くてかわいらしい絞りの羽織です。
丈も短く色も派手になって着ることができなくなりました。
そこで、その羽織を使ってお宮参りの着物を制作させていただきました。
羽織は前生地を落としてあるので、どうしても背縫いが必要になりますが、
その分柄も変化をもたせて出すことができました。
世界に一枚だけのオリジナルのお宮参り着です。
とても軽いので、三歳の七五三詣りでも楽に着られそうです。
長襦袢も正絹の長襦袢生地を使って作らせていただきました。
可愛い♡の模様が入った長襦袢なんですよ。
もうすぐ生まれてくる赤ちゃんが、元気にすくすくと成長されますよう、心よりお祈りいたしております。
ありがとうございました。
これは、私の祖母の絞の羽織です。
とても小さい女性だったので、丈も短く、肩裄もまったく出せません。
私が着ることは、どう頑張っても不可能なのです・・・。
でも、とても素敵。
見れば見るほど、大好き。
捨ててしまうには忍びない。
なによりも、大好きで大切な祖母の遺品です。なんとか使えるものによみがえらせたいと思いました。
アップにするとこんな感じの絞の羽織。
まずは、全部解いて、どれだけ使えるか「洗い張り」しました。
洗い張りとは、解いた布をハヌイして一反の反物にもどし、洗って乾かすことです。
それでも昔のしみ込んだ汚れは取れませんが、軽いよごれは綺麗におちます。
今回の羽織も古い汚れはおちませんでしたが、綺麗なところは使えそうです。
そこで京都の職人さんと相談し、名古屋帯にしてもらうことにしました。 黒の名古屋帯はとても合わせやすくて重宝しそうです。待つこと、一か月半どうなることでしょう・・・
念願の 名古屋帯が完成しました。
柔らかくてとても締めやすい帯となりました。
京都の職人さんの工夫で長さも十分あり、
たれにも模様が配置されています。
また、前にも可愛い柄が配置されました。
費用は掛かりましたが、祖母の着物が生き返ったようで
とても嬉しく思います。
黒地の名古屋帯は大変着物に合わせやすく、重宝しています。
帯揚げや帯〆でいろいろな工夫ができて、
着こなしが楽しめます。
羽織から名古屋帯への再生、大成功です。