2023/07/28
若い頃に作られた色無地。
解かずに、そのまま丸染めで色の交換をされました。
染め変える前の色無地です。
ご結婚の頃にご両親が準備してくださっていたのでしょうが、一度も袖を通すことなく時間が経ってしまわれたそうです。(しつけがかかったままですね)
しかし、せっかく縫いあがっているので、解かずそのまま色を交換したいとのこと。
ご希望の色は深い紫に決まりました。
しかし、上に色をかける場合、どうしても元の色が影響してしまいます。
そこで、一度色を抜いてから染めることになりました。
とてもきれいに染めあがりました。
色を抜いたので、紋も消えてしまいますから、再度入れ直しさせていただきました。
スッキリと紋がさえています。
色無地に紋が入っていると、フォーマルな席に着られるのにぴったりです。
これからの着用を考えて、紋もいれられました。
丸染めなので、胴裏も八掛も同じように染まります。
かっこいいですよね。
着物の出番が増えますようにと思っています。
丸染めの場合、縦に若干縮みますが、それは仕方がありません。
スレなども現れず、時間をかけてゆっくり染めてもらえてよかったです。
京都の技術はやっぱりすごいなぁと思いました。
H様この度はありがとうございました。
お客様のご希望で、解かずに訪問着の色をかえてみられました。
ご希望の色は紫か、ワイン色。
京都の染元さんに相談したら、第一希望の紫に染めることができるということで、こちらの色に仕上がりました。
元の色は淡い色の訪問着でした。
年齢を重ねてこられて、もうこの色は着ないとのこと。
濃い色に染めて紋もいれさせていただきました。
いくら無地に染めても、胡粉(ごふん)の部分だけは染まらずに残ります。
前の部分をごらんください。
白い胡粉の部分だけがちらほらと残っています。
それ以外のところは綺麗に染めあがっています。
新たに入れた紋はスッキリ綺麗に目立っています。
あとは、小紋のようにちらほら柄が見える程度。
袴の上にきられるとのこと。
きっとよくお似合いになられると思っています。
K様どうもありがとうございました。
いつの間にか増える色無地。
お茶をしていると、どうしてもそうなっていきます。
気が付くとグレーが多い…
そこで、裾に汚れがある少し大きめのグレーの色無地を丸染めすることにいたしました。
丸染めと言うのは、着物を解かずにそのまま染めるという技法です。
このように綺麗に染めあがりました。
紋も共色の陰紋として残っています。
裏地も染められるのが丸染めの特徴です。裏地の汗も抜けてすっきり。
裾の汚れも取れています。
大成功です。
染元さん、たいへんお世話になりました。
着付け教室にお越しくださっているKさん。
お嫁入りの時に持たせてくださった付下げが派手になったので、染め変えることにされました。
金糸の通った良い生地で、裾が濃い色のぼかし染めになっています。
これから、年齢を重ねていくので、落ち着いた色に変えたいとのご希望でした。
柄は、織り方で表現されていますので、染めても問題ありません。
お選びになられたのは、藍深川。
ググっと落ち着いた色目になります。
染めあがるまで一月ほどかかりました。
裾は、同系色の濃い色にしました。
ぐっと引き締まります。
渋い感じにそめあがりました。
金糸の織模様も浮き上がり、とてもかっこいい着物に仕立て上がりました。
まるで、別の着物のようです。
八掛も共色で染めたので、とてもいい感じです。
着付けの技術も上がっているのですが、同じ着物がこんなに変わるのか?というほど美しく長く着られる着物に変わりました。大成功です。
Kさんどうもありがとうございました。
オレンジ色の振袖をおあずかりしました。もう着なくなった振袖を色無地に染めかえてお召しになりたいとのご要望です。振袖といってもとてもおとなしい色なので、十分染め替えができそうです。
最初、色を抜かずに染め替えを考えましたが、色を抜かないととても濃い色になってしまいます。
昔の生地なので、とてもしっかりとした厚さがあります。
色をぬいても十分対応できるため、色を抜いてお好きな色に染め替えいたしました。
長襦袢もおとなしい色なので、普通の長襦袢としてお使えいただけそうです。
全く違う色のお着物が出来上がりました。
フォーマル用として使えるようにお家の家紋も入りました。
全く使えずに眠っていた振袖が生き返り、、これから長く着ていただける色無地ができて、とてもお喜びいただけました。
八掛も染め直せたのでとても上品に仕上りました。
2021/11/04
お母様から譲り受けた、お顔映りのよい小紋。
とてもお似合いになるので、手を入れることにされました。
身丈が短く、腰ひもの位置をぎりぎり低くして、ようやくおはしよりが出ます。
身巾も狭く、そこも気になっていました。
最初は身丈だけ直そうかとおっしゃっておられたのですが、胴裏の黄ばみなども気になっておられて、しみも落としてきちんと直されることにされました。
身丈をのばしたいのですが、縫込みがありませんでした。
そこで、残りの生地がないか、探していただくと、Mさんのお母様がきっちり保管されていました。
これで、違和感なく継ぐことができます。
さすが、お母様ですね。
上が昔の胴裏、下が新しい胴裏です。
せっかく仕立て直すので、新しい胴裏にされることとなりました。
継ぎもほぼわからない位置で完成しました。身巾も十分出ています。
胴裏も新品となり、シミも綺麗に落ちました。
小紋が再生できました。
Mさん、ありがとうございました。
2020/06/16
N様が、結婚して嫁がれるとき、ご両親が準備してくださった、付下げ。
鮮やかな朱色に、菊などのお花の模様が染められています。若い頃は、とてもよく似合っていた大切な着物ですが、年齢を重ねるとともに、地色の朱色に抵抗が出てきました。
模様はそのままにして、地色を変えてみたいというご相談をうけました。
模様を残して染めるには、模様の部分をきっちり糊で伏せて、地色も引き染めにしなければなりません。
費用もかかるのですが、思い出の着物を大切にしたいという、お気持ちから、地色替えにチャレンジです。
柄を残すため、朱色を抜くわけにはいきません。
朱色に負けない色をかけることにして、「この色なら大丈夫です」という色を提案していただきました。
その中から選ばれた濃い紫。
まるで別の着物のように綺麗に仕上がりました。
とても背の高いお客様なので、きっとお似合いになることと思います。
着物の地色が派手になった場合、このように変化させることもできます。
大切な思い入れのあるお着物、長く着ていただける工夫がありますので、気軽にご相談くださいませ。
2020/02/04
身長150cm少々のお母様の紬。
次に着るのは163cmほどのYさん。
お茶のお稽古をされているYさん、なんとか使えるようにしたいとのことでした。
大分着丈が足りません・・・
まずは、紬を洗い張り。
水を通して洗い張りしたら、つやつやとしゃっきり気持ちよく仕上がりました。
裄丈はなんとかなりそうです。
身丈は別布をたすしかありません。
足す布を探すのですが、紬で似たような風合いで、似たような色は、なかなかムツカシイ。
紬には、紬を足します。縮緬の着物には縮緬の生地を足します。
そうしないと、着物が弱いのです。
あちらこちら探して、やっと!見つけました。
(足した着物をごらんください。これなら、許容範囲でしょう。)
そして、どこに足せばいいか、試行錯誤です。
着物を切るので慎重になります。
夏物の着物は2cm足す位置が下だったので、今回はそれより2cm上へ。
そして、出来上がった着物。
着てみたらバッチリ。
次が帯の中にすっかり入ってわかりません。
丈を伸ばすのは、本当にムツカシイのです。
夏の着物は、2cmほど帯の下に出てしまったので、それを踏まえてのチャレンジで、成功いたしました。
本当に良かったです。是非お使いくださいね。
総絞りの豪華な振袖です。
しかし、もう着ることはないだろうと言う事で、ご相談を受けました。
振袖を切るのはもったいないので
あまりお勧めしてこなかったのですが、今回は、シックなコートに変えて、使っていこうということになりました。
着物を変えるということは、それに合わせた長襦袢も使わなくなります。長襦袢はコートの裏地に使うこととしました。まずはすべて解いて洗い張りに出します。
道行コートが完成しました。
紫色のコートはとても便利で合わしやすいです。山吹色と紫の長襦袢も裏地となってちらりと見えます。とてもかっこいいですね。
振袖だったので、生地がまだ余っていました。カッコいい和装バッグも作ることができました。